女性用風俗のセラピストとして働き始める際には、たいていどこのお店でも初期費用がかかります。お店にセラピストとして登録する際にかかる費用なので、登録料とも呼ばれます。
なかには「登録料0円」としているお店もありますが、結局は何らかの費用がかかったり、特別な条件が付いていたりする場合が多いです。
今回は、女性用風俗で働く際に必要となる初期費用の相場、内訳、初期費用がかかる理由などについて解説していきます。
初期費用の相場
女性用風俗で働く際には以下のような初期費用がかかります。
- ・講習費(研修費):マッサージ実技、接客、集客方法などに関する講習・研修の費用
- ・モニター研修費(モニターテスト費):モニターのお客様を相手とする実技研修の費用
- ・ホテル代:講習・研修で使うホテルの利用料実費
- ・写真撮影費:宣材写真(パネル写真)の撮影費
- ・ホームページ掲載費(システム利用料):店舗ホームページに写真・プロフィールを載せるための掲載費・管理料
- ・性感染症検査費用
- ・仕事道具(バイブ・ローター・アロマオイルなど)の購入費
各費用の金額はお店によってまちまちです。ホテル代が講習費に含まれている場合もあります。ホームページ掲載費はかからないお店の方が多いです。
初期費用の総額は3万~5万円程度が相場で、安くても2万円程度、高いところでは8万円程度かかります。
なかには、合格するまで何度も研修を受けなければならないお店もあります。研修の度に研修費がかかるので、研修回数によって初期費用の総額が変わります。
初期費用の内訳・詳細
ここでは各費用の意味や内容、金額について詳しく説明します。
登録料
「登録料」には3つの意味があります。
- ・初期費用の総額(ホテル代などの実費を含む)
- ・初期費用のうち、ホテル代などの実費を除いた総額
- ・お店にセラピストとして登録し、ホームページに写真やプロフィールを載せるための月額費用(月数千円~1万円程度)
①の意味で用いているお店が多く、「登録料=初期費用総額」が常識となっています。初期費用を「講習費○円」「撮影費○円」などと分けずに、総額を「登録料○円」として一括しているお店も多いです。
ただし、お店によっては②③の意味で使っているので、求人情報を見るときには注意してください。求人情報で「登録料0円」となっていても、ホテル代や講習費などが別途かかるケースが大半です。
講習費(研修費)
実技講習や座学講習のための費用です。以下のような講習が行われます。
- ・セラピストとして行うことになるオイルマッサージ・性感マッサージに関する講義・実習
- ・接客に関する講義や実習(マッサージの現場での対応、外で待ち合わせやデートをする場合のエスコートの仕方、言葉づかい、服装・身だしなみなどについて)
- ・セラピストとしての宣伝・集客方法(SNSの活用法など)についての講義
- ・ルール・禁止事項についての講義
①②は、映像などを用いた講義と、女性講師にマッサージ・接客の相手をしてもらう実技講習からなります。実技講習は女性講師と1対1で行うケースと、男性講師(トップランカーやベテランキャスト)が加わるケースがあります。
講習費には外部から招く女性講師に支払うお金が含まれているため、少なくとも数万円程度かかるのが普通です。初期費用が安いお店では実技講習が行われず、マッサージや接客について十分に学べない恐れがあります。
十分な実績のある経験者(他店ランカーなど)に対しては、講習を簡略化して、講習費を値引きするお店もあります。
モニター研修費(モニターテスト費)
お店によっては、講習実施後に、お客様を相手にした実地研修が行われることがあります。お客様は「無料モニター」に応募された女性で、研修であることはわかった上でマッサージを受けられます。
女性へのお金の支払いが発生しないので、モニター研修費は講習費より安く、1万円くらいが普通です(ただしホテル代は別途かかる場合があります)。
モニター研修は研修生、モニター女性、男性講師(ベテランキャストなど)の3人で行われます。お店によっては講師から合格判定を受けるまで何度でも受ける必要があり、その度に研修費がかかります。
講習・研修の際のホテル代実費
講習やモニター研修で使うホテルの利用料金については、お店によって扱いが異なります。講習費・研修費に含まれる場合と、別途支払いが必要になる場合があるため、求人情報や面接で確認しておくことが重要です。
宣材写真(パネル写真)の撮影費
講習やモニター研修が無事にすみ、実際にお店に登録して仕事を始めることが決まったら、ホームページなどに掲載するための写真(宣材写真・パネル写真)を撮影します。
プロのカメラマンにスタジオで撮影したもらう場合と、店長などが簡単に撮影する場合があります。前者の場合は1万円程度かかり、後者の場合は無料が普通です。
プロによる撮影が必須のお店が多いですが、どちらかを自分で選べるお店もあります。
宣材写真は集客のために非常に重要なので、原則としてはプロに撮影してもらうのがおすすめです。初期費用総額が高いお店は写真撮影にかなりお金をかけます。
性感染症検査費
講習などと並行して性感染症の検査を行います。8,000円~1万円ほどかかります。
なお、性感染症の検査は仕事を始めてからも定期的に(通例月1回)受ける必要があり、その度に費用がかかります。
仕事道具の購入費
セラピストが現場に持参する仕事道具(バイブ・ローター・アロマオイル・ローションなど)は、基本的にお店指定のものを用います。そのため、仕事道具一式の購入費が必要です。
ホームページ掲載費(システム利用料)
まれに、写真やプロフィールをホームページに掲載し管理するための費用として毎月数千円~1万円ほどかかるお店があります。そうしたお店では、1か月分~数か月分の費用を入店時に支払う必要があります。
初期費用がかかる理由
セラピストとして働きたいと考えている方のなかには、「なんで働くためにこちらからお金を払わなければならないのだろう?」と疑問に思われる方も少なくないようです。
初期費用がかかるのには、明確な理由があります。その理由を解説します。
雇用契約ではなく業務委託契約だから
会社と雇用契約を結んでいる従業員の場合、業務に必要なスキル・知識を身につけるために行われる講習・研修の費用は、会社が負担しなければなりません。労働法でそのように決まっています。
そのため、世間では業務のために行われる講習・研修は無料というイメージが広がっていますが、それはあくまで雇用契約を結んだ従業員の場合に限られます。
女性用風俗のセラピストはお店と雇用契約を結んで従業員になるわけではなく、個人事業主としてお店と業務委託契約を結び、自分の裁量で仕事を行う身分です。業務委託契約の場合、講習費・研修費を誰が負担するかは法律で決まっておらず、当事者間の交渉で決めることになります。
お店が初期費用を負担するのはリスクが高く、よい人材が集まらないため
男性向け風俗のキャスト(風俗嬢)の場合、それなりの若さ・容姿があればそれだけで初期にある程度の売上が見込めるので、数万円程度の初期費用はお店が負担しても問題ありません。
女性用風俗の場合はそうはいきません。女性用風俗のセラピストには初めからある程度高度な気遣いやテクニックが求められますし、セラピスト自身がSNSなどを使って積極的にお客様とコミュニケーションを図らなければ指名の継続は難しいです。
実際にこうしたことをやり遂げ、成果を上げ続けられるセラピストは多いとは言えません。入店後すぐ辞めてしまったり、積極的に営業を行わなかったりするセラピストも少なくないのが現実です。
そのため、お店側が初期費用をすべて負担するのはリスクが高く、そんなことをすれば大損してしまうことになります。
また、初期費用が安いと、いい加減な気持ちで応募し、講習を適当に受けるような人が増えてしまいます。
こうしたことから、まとまった額の初期費用を支払うつもりがある人だけを募集しようと考えるお店が多く、セラピストが初期費用なしで入店したいと申し出ても断られてしまうのが通例です。
他店でよほどすぐれた実績を上げた経験者であれば、例外的に、初期費用なしでの入店をお店が受けいれる場合もあります。
マッサージ・接客のスキルを事前にかなり身につけておく必要があるから
先ほども述べましたが、風俗嬢の場合、ある程度の若さや容姿の魅力があれば、少なくとも最初のうちはそれなりに集客できてしまいます。そのため、講習は男性の店長・店舗スタッフが行うのが一般的で、初期費用は無料か、かかっても少額です。
一方、女性用風俗のセラピストには初期段階でも相当高い接客・マッサージのスキルが求められます。そのため、わざわざお金をかけて外部の女性講師を招き講習を行う必要があるのです。
男性向け風俗でも、高級店(高級ソープなど)の場合は別です。高級店の風俗嬢には最初から高いスキルが求められるので、外部の女性講師(ベテラン風俗嬢など)に講習を依頼します。宣材写真の質も重視されます。そのため、まとまった額の初期費用をキャストが負担します。
女性用風俗店は料金だけ見るとデリヘル・ソープの格安店~大衆店に相当する場合が多いですが、お客様が女性であるだけに、セラピストには高級ソープ嬢並みの対応が初めから求められると言ってよいでしょう。
キャストの宣伝にお金をかけて集客を図るため
ホームページに載せる宣材写真は集客の出発点になる材料です。写真の出来・不出来により集客は大きく左右されます。
セラピストとしては初期費用をなるべく抑えたいと考えるかもしれませんが、宣材写真撮影にかけるお金をケチっていては集客がおぼつきません。
お店としては宣材写真に一定以上のクオリティを保つ必要があるため、プロのスタジオでの写真撮影を応募者に求めるのが通例です。
「初期費用0円」のお店は本当に無料で始められる?
なかには「初期費用0円」「登録料0円」としてセラピストを募集しているお店もありますが、実際には何らかの費用がかかったり、特別な条件が付いていたりする場合が多いです。
以下のようなケースが代表的です。
- ・「登録料」や「講習費」はかからなくても、月額のホームページ掲載料・管理料の数か月分がかかる
- ・キャッシュバック制度があるために「実質0円」となっている(最初に数万円の初期費用がかかるが、「○か月以上勤務継続」「月間売上○円」などを達成すると、初期費用分がキャッシュバックされる)
- ・入店時には費用がかからないが、一定期間以内(例えば1年以内)に退店する場合、退店時に講習費などの全額を支払う必要がある
- ・初期費用は0円だが、講習は簡単にしか行われず、宣材写真は店長による撮影で、当面は本指以外のお客様の料金が半額になるなどの条件がある
④は入退店時の費用が完全無料のケースですが、初心者にとっては条件が非常に厳しく、実績のある経験者(他店からお客様を引っ張ってこられるような人)でないと、稼ぐことは難しいでしょう。
まとめ
女性用風俗のセラピストとして働き始める際には、講習費、写真撮影費、性病検査代などの初期費用がかかります。相場は3~5万円程度です。
お店が初期費用を負担するのはビジネスとしてリスクが高いことや、意欲の低い応募者を排除する必要があることから、初期費用は応募者が負担する形になっています。
セラピストには初めからある程度のスキルが求められため、外部から女性講師を招き、マッサージや接客の実習を行います。また、集客のために宣材写真の質も重視されます。そのため、どうしてもまとまった額の初期費用がかかります。
「初期費用0円」「登録料0円」として募集しているお店もありますが、別の名目で入店時に費用がかかったり、特別な条件が付いていたりする場合が多いので、面接の際にしっかり確認しておきましょう。