女性用風俗の仕事は、女性のお客様に親密な接客をするという点で、ホストと似ています。また、女性との性的行為が仕事になるという意味では、AV男優と共通点があります。
とは言え、セラピストとホスト・AV男優には大きな違いがあり、セラピストにはセラピストの働き方と、働くメリットがあります。
今回は、ホスト・AV男優と比較しながら、セラピストの仕事の特徴や働くメリットを解説します。
女風セラピストとホストの働き方の違い
まずは、セラピストとホストの働き方の違いを比較してみます。
個人で働く/お店・集団で働く
女性用風俗のセラピストはお客様と一対一でサービスを行います。店長や事務所スタッフと仕事上でやり取りする場面もありますが、接客の現場は一対一です。
お客様の好意を得て、継続的な指名をいただけるかどうかは、基本的に「お客様との一対一のやり取り」のなかで決まります。
一方、ホストは、他のホスト・お客様がいる空間(ホストクラブというお店)でサービスを行います。
接客中は1人のお客様だけを相手にしますが、周りには常に他のホストやお客様の目がありますし、指名がかぶった場合には他のお客様のもとへも接客に出向きます。
お客様の方では、自分とのやり取りだけでなく他のホスト・お客様とのやり取りも観察して、ホストの価値や魅力を判断します。 ホストにとっては「集団のなかで輝く」ことが非常に重要であり、容姿やトーク力、世渡りのうまさなどを武器にして「集団のなかで勝ち上がる」ことがホストの目標となります。
勤務頻度の違い
セラピストは基本的に自分の好きな日・時間にだけ働けばよく、週1回、月1回などでも問題ありません。 ホストにはレギュラー勤務(常勤)とアルバイト勤務(シフト勤務)があります。レギュラー勤務の場合はお店の開店日には基本的に常に出勤します。
アルバイト勤務の場合は週末だけなども可能ですが、お店の都合にもある程度は合わせる必要があります。
お客様との会い方の違い
女性用風俗の場合、お客様が会う日時と場所(ホテル・自宅など)を決めて予約し、セラピストがその日時・場所に出向いてサービスを行う形となります。
待機所があり、勤務時間はそこで待機するスタイルのお店と、待機所はなく、自宅などからお客様のもとに出向くスタイルのお店があります。後者の場合、直行直帰も可能です。
ホストの場合、来店したお客様とお店で会うのが基本です。ホストとお客様の間で日時・場所などを取り決めて店の外で会う場合もありますが、それは基本的にお客様の来店を促すための手段に過ぎません。
給料システムの違い
女性用風俗の給与は、「歩合・日払い」が一般的です。お相手をしたお客様が支払ったお金(コース料金・指名料など、1時間当たり平均1万円程度)のうち、50~70%程度がセラピストの取り分となり、当日のうちに取り分の合計金額を手渡しで受け取れます。
ホストの給与も歩合が基本です。自分が付いたお客様の飲食代のほか、指名料・同伴料などが自分の「売上」となり、そのうち50~60%程度が取り分となります。日払いではなく月給制で、月に1回給与が支給されるのが普通です。
たいていの店では、新人に対して一定期間だけ固定給(最低保障給)を支給します。その期間は「固定給+歩合給」が給与となります。
ホストクラブでは、ホストの責任で担当のお客様の支払いを「ツケ」にし、後日支払ってもらう取り決めにすることがあります。これを「売掛」と言います。
売掛によってお客様の来店を促すことができる反面、売掛にしたお金をなかなか支払ってもらえない(売掛金が回収できない)というトラブルも発生しがちです。そうしたリスクは避けたいと思っていても、通い続けてくださっているお客様に売掛をお願いされれば断るのが困難な場合があります。
売掛金の回収はホストの責任であり、回収できなければその分だけ給料が減ることになります。
営業スタイルの違い
ホストの場合、お客様と継続的な関係を構築するのが基本的な営業スタイルです。最も代表的なのが、疑似的な恋愛関係を演じる「色営(色恋営業)」です。そこからさらに進んで、本気の恋人のように振る舞う「本営」や、お客様と同棲(半同棲)する「宿営」まで行うホストもいます。
ホストにとってはお客様に継続して来店してもらうことが何より重要で、そのために、恋人関係のような、うまくいけば長続きしてつながりが深まっていく関係を作ろうとします。
お客様としても、1回の来店では密度の濃い体験は難しいため、繰り返して来店し、ホストとの関係を深めていこうとします。
セラピストの場合、心身ともに癒やしとなるような濃い体験を1回ごとに提供するのが基本で、お客様との継続的な関係づくりは「プラスα」の要素となります。
セラピストにとってもお客様に継続して利用してもらうことは重要で、SNS上のコミュニケーションなどを通して集客を図るのが一般的ですが、疑似恋愛(色恋営業)のようなやり方は必要ではありません。
ホストと比べた女風セラピストのメリット8選
働き方の違いから、ホストと比べて女性用風俗のセラピストには以下のようなメリットがあります。
1.自分のペースで働ける
2.自分のスタイルで働ける
3.集団が苦手でも個性を発揮できる
4.副業としてもやりやすい
5.色恋営業は不要で、仕事と私生活の線引きが容易
6.お客様とのトラブルを未然に防ぎやすい
7.給料がその日のうちに手に入り、売掛のリスクがない
8.お酒を飲まなくてもよい
1.自分のペースで働ける
常勤ホストの場合、勤務日・時間は自由になりません。アルバイト勤務であれば出勤日時をある程度選べますが、容姿や営業の才能などがよほど突出していなければ、常勤ホストと一緒の現場で売上を上げるのは難しいのが現実です。
女性用風俗のセラピストは自分の好きな日・時間にだけ働くことができます。SNSでのアピールやコミュニケーションをうまく行えば、出勤日数が少なくても不利にはなりません。「レア出勤」が魅力になることさえあります。
2.自分のスタイルで働ける
ホストはお店・集団で働くので、服装やヘアスタイル、言葉使いなどをお店の方針・カラーに合わせたり、一緒に働く同僚・先輩ホストの意見を気にして選んだりする必要があります。
セラピストの場合、自分の好きなスタイルで働けます。スタイルの受けが悪いと売上に響きますが、自分の好みの範囲でいろいろと研究してスタイルを磨けば、たいていは収入アップにつながります。
より「自分らしさ」を活かして稼げるのがセラピストのメリットと言えます。
3.集団が苦手でも個性を発揮できる
集団(しがらみ)のなかでコミュニケーションを取ったりうまく立ち回ったりするのが苦手という人にとっては、ホストの仕事は非常にストレスが大きく、続けるのは大変でしょう。女性用風俗のセラピストであれば、そうした性格の人にも向いています。
ホストは集団のなかで自分を輝かせる必要がありますが、ホストクラブという特別な場所で輝かせることができる個性は、種類がかなり限定されます。セラピストは基本的に女性と一対一の勝負になるので、幅広い個性を売りにできます。
4.副業としてもやりやすい
副業としてアルバイト勤務のホストを続けるのは、仕事内容からしても、常勤ホストとの関係性からしても、かなり大変です。なかにはうまくやれる人もいますし、最近はホスト業界も変わってきているようですが、一般的にはホストは副業向けの仕事とは言えません。
女性用風俗は自分のペース・スタイルで働くことができ、給与は日払いなので、副業にもぴったりです。実際にたくさんの男性が副業として女性用風俗にたずさわっています。
5.色恋営業は不要で、仕事と私生活の線引きが容易
ホストの場合は色恋営業的なスタイルが基本であるため、勤務時間以外にもお客様とのコミュニケーションに多大な時間を取られ、プライベートが削られてしまうのは日常茶飯事のことです。
また、相手の気持ちを考える人ほど色恋営業はストレスになり、私生活にも影響しますし、お客様が営業(疑似行為)と受け取らずに本気になり、トラブルに発展することも少なくありません。
女性用風俗の場合、色恋営業のように深入りはせず、お客様とほどよい距離を保ちながらやり取りするスタイルでも、十分にやっていくことができます。
セラピストは色恋営業が禁止というわけではなく、色恋営業を得意とするセラピストもいますし、お客様のなかには疑似恋愛を求めている方もいます。
自分に合った営業スタイルを選択し、私生活とのバランスを調整しながら仕事を続けられるのが、セラピストという仕事のメリットの1つです。
6.お客様とのトラブルを未然に防ぎやすい
ホストの場合、色恋営業のために感情のもつれが生じ、トラブルに発展してしまうケースが少なくありません。
お客様が来店してホストや他のお客様と口論したり、SNSにホスト・お店の誹謗中傷を書き込んだりするなど、なんらかのトラブルを引き起こしてしまわれた場合、お店として入店を拒否する(出禁にする)などの対応を取ることも可能です。
明確なトラブルが発生していない段階では、お店としては思い切った処置はできず、ホスト自身でいざこざをうまく処理しなければなりません。
女性用風俗の場合も、色恋営業をすれば感情の行き違いが生じるケースは少なくありませんし、色恋営業はしていなかったとしても、お客様がセラピストの言葉や態度を恋愛感情の表れとして受け取ってしまわれるケースがあります。
女性用風俗は「予約して会う」というスタイルであるため、感情の行き違いが発生しても、問題が大きくなる前の段階でお店側が予約を受け付けないようにするなどして、トラブルを未然に防ぐことが可能です。
7.給料がその日のうちに手に入り、売掛のリスクがない
女性用風俗の給与は日払いで、働いた分だけ着実にお金が入り、急な出費にも対応できます。売掛のシステムは存在しないため、売掛金回収に関するトラブルに巻き込まれる心配もありません。
8.お酒を飲まなくてもよい
ホストの仕事にお酒はつきもので、お酒に弱い人は何かと不利です。ソフトドリンクだけにするといった対応も可能ではありますが、売上に影響します。他の強み(トーク力など)が突出していないと、ホストの仕事は難しいでしょう。
女性用風俗の場合、基本的にお酒を飲む必要はありませんし、仕事に支障がない範囲であればお客様のすすめに応じてお酒を飲むのも自由です。
女風セラピストとAV男優の働き方の違い
AV男優の仕事は、監督などの指示にしたがってAV女優と性的行為を行うことです。一般女性を相手に性的サービスを行うセラピストの仕事とは大きく異なります。
セラピストとAV男優を比べると、「女性との性的行為が仕事になる」という点だけは共通していますが、相手の女性の立場や女性への接し方はまったく別物です。
AV男優が相手にするのは、「監督の指示や台本にしたがって演技(嘘の反応)をするプロの女性」です。AV男優も同じくプロであり、相手が演技しているとわかったうえで、監督の指示や台本に沿って性的行為を行います。
一方、セラピストの相手は「いろいろな思いを抱えた、個人としての女性」です。セラピスト自身も、セラピストとしてのプロ意識は持ちつつ、1人の個人として、女性に接します。
セラピストの仕事は個人と個人の間で行われ、お客様の多くは「素の自分」を満たしたいという思いでサービスを受けられます。そのため、仕事として性的行為を行うという点は同じでも、AV男優の行為とセラピストの行為はまったく性質が異なります。
AV男優と比べた女風セラピストのメリット3選
女性用風俗のサービスを通して、セラピストはAV男優の仕事では得られない経験を積み、性的テクニックや女性への理解・接し方を高めていくことができます。それは私生活でも活かすことが可能です。
1.女性を喜ばせるテクニックを身につけられる
AV男優というと「精力」とならんで「性のテクニック」が優れいているというイメージがあるかもしれませんが、AV男優のテクニックは基本的に「見せる」ためのものであり、女性を喜ばせるためのものではありません。
AV男優は、視聴者である男性を興奮させるために派手な動きをすることが求められます。とくに悪名高いのは、女性器を手でガシガシと激しく刺激する「ガシマン」と呼ばれる行為です。
AVに見られるような「テクニック」を女性用風俗のお客様に対して行ったら、一発で苦情を言われるか、今後二度と指名してもらえなくなるかもしれません。SNSで悪評が広まる恐れもあります。
女性用風俗のお客様は快楽や癒やしのためにお金を支払われます。お金をもらって演技をするAV女優のように「ガシマン」で喜ぶフリはしません。恋人・夫と性行為をするときよりも素の反応を示される方が多いくらいです。
そのため、まじめにセラピストの仕事を続けていけば、女性を喜ばせられるテクニックを自然に身につけることができます。
2.女性の気持ちや体をより深く理解できるようになる
AV制作の現場では、男優と女優は作られた関係のなかで性行為をこなすだけで、互いの気持ちや体のことを理解し合うひまはありません。
女性用風俗の場合、セラピストはお客様である女性の気持ちや体に直に向き合うことになります。
そのため、指名の獲得・継続のためには、女性の気持ちや体を理解することが必要です。理解すればするほど成果につながり、理解できないままであれば指名が得られず、セラピストを続けることが難しくなります。
したがって、セラピストとして経験を積むほど、女性の気持ちや体を深く理解できる男性になれます。
3.女性の心をケアすることができるようになる
女性用風俗にお客様が求めるのは、性的な快楽だけではありません。癒やしや共感などの精神的な要素も重要で、むしろそちらの方を重視するお客様もいらっしゃいます。
セラピストを続けていけば、女性の心をケアするコツも身につけることができます。
まとめ
ホストはお店・集団で働くのが基本で、お店の都合やいろいろな「しがらみ」に合わせながら、うまく勝ち上がる必要があります。
それに対し、女性用風俗のセラピストは個人で働くのが基本なので、自分のスタイルや個性を活かしながら好きなペースで仕事を続けることができ、副業にも適しています。色恋営業やお金の支払いにからむトラブルも避けやすいです。
AV男優が「見せる」ために性的な行為を行うのに対し、セラピストはお客様を心身ともに満足させるために性的サービスを行います。
そのため、女性を喜ばせる性的テクニックや、女性の心・体に対する深い理解、女性の心をケアするコツなどを自然と身につけていくことができます。
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